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高雄在住の史跡探検家『あひる家』です。
日本統治時代の遺構が数多く残る台湾・高雄。
当時、高雄の北部に高雄飛行場があり、
高雄海軍航空隊(第七五三海軍航空隊・陸上攻撃機部隊)が編成されていたのですが、
そのすぐ南にこの施設を守るために造られたと思われるトーチカが残っております。
トーチカの存在は知られていたけれども、
実際にどこにあるのかは謎だったのですが、
ネット上に公開された軍事資料から場所を特定した台湾人の方がおり、
その情報を元にトーチカを見てきたのでご紹介します。
現存する3つのトーチカ
- 1号(典寶)
- 3号(大舍甲)
- 4号(梓官)
高雄北部の梓官区という場所に現存する3基のトーチカ。
元々4基あったようなのですが、残念ながら1基(2号)は既に取り壊されたみたいです・・・
現存する1号・3号・4号の保存状態は良好で
1号・3号は中に入れませんが、4号は屈まなければいけませんが、中にも入れちゃいます。
4号の中の様子
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これらのトーチカは
昭和20年(1945年)の3月に高雄海軍施設部第三三四施設部が
高雄州岡山郡彌陀庄に設置したものと記録されています。
1945年4月に彌陀庄の竹子港地区にも6基のトーチカが設置されたという記録があるので、
また場所が分かり次第、時間を見つけて探しに行ってみたいと思います。
夢広がる黄金埋蔵金伝説
トーチカとは直接関係ないのですが、トーチカ(3号)の近くに
財宝が眠っているという都市伝説があって
戦後の1960年頃、とある台湾人の初老の男性が
1枚の地図を手に持って、やって来たそうです。
その男性は日本人から委託され、
戦前に日本人が埋めたという黄金を掘り当てに来たとのこと。
トーチカ3号周辺を雇ったと思われる7,8名の人と
2ヶ月あまりに渡って穴を掘ったのですが、
結局何も見つからなかったという…
記事によると数年後、また別の者が金属探知機を持ってやって来たらしいのですが、
この時は土地所有者が調査を拒否したらしいです。
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ふふふっ
真偽の程は確かではないですが、
戦後の引き揚げ時に、持ち出しの荷物が制限され、特に宝石や貴金属類はできなかった(と言われている)ことを鑑みると、
財産を持ち帰れないと判断した(裕福な)日本人が地中に埋め、数年後のほとぼりが冷めた頃にそれを掘り起こそうと考えるのはありうる話である。
実は高雄には他にも寿山や半屏山にもこのような黄金都市伝説が残っており、夢が広がるばかりです。
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とりあえず、あひ郎には黙っておいた方がいいわね♪
まとめ
終戦間際の1945年3月に造られたこれらのトーチカ。
大本営からの命令で、きたる本土決戦を想定して造られたと思われるのですが、
半年前の1944年10月にはこの辺りは大空襲で大打撃を負ったはずです。
連合国の力を見せつけられた後に始まったトーチカ建設。
あくまでも推測になりますが、このトーチカを造った人達は
このトーチカが無意味で、使われることはないことをわかって建設に携わったのではないでしょうか?
その答えは傷一つないトーチカだけが知っているのかもしれません。
梓官区に存在するトーチカその他の写真
- 犬
- 犬
- 1号
- 樹齢160年を越えるマンゴーの木
- 4号
- 樹齢160年を越えるマンゴーの木
- 1号
- 4号
- 3号
- 4号の入口
- 1号の側にある抗日記録
- 4号
このトーチカは誰でも見ることができます。
詳しい住所は私もわからないのですが、だいたいの位置は教えることができるので
見に行きたい方は、あひる家に泊りに来たらお教えしま~す。
※事前に連絡が必要(あひる家オーナーの佐々木しか知らないため^^;)